相続税・贈与税とは?
相続税は、死亡した人(被相続人)の財産を相続又は遺贈などにより取得した配偶者や子など(相続人等)に対して、その取得した財産の価額を基に課される税金です。
また、贈与税は、個人からの贈与により財産を取得した者に対して、その取得財産の価額を基に課される税金です。
贈与税は、相続税に比べて課税最低限は低く、税率の累進度合は高く規定されています。これは、もし、被相続人が生前、相続人となるべき配偶者や子供などに財産を贈与してしまったとしたら、相続税が課税されなかったり、課税されるとしても少ない負担で済んでしまい、生前に贈与することにより財産を分散した場合としなかった場合とでは、同額程度の財産を取得した者の間で税負担に著しい不公平が生じることになるためとされています。
相続税の申告・納付<10カ月以内>
被相続人の遺産に対して相続税がかかる場合には、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に相続人全員が相続税の申告・納税をしなければなりません。
相続税は相続人1人1人が実際に取得した財産に対して相続税が算定されるため、申告期限(10ヶ月)までに遺産分割協議が相続人間で整っていることが前提になります。
相続税を現金納付する場合には10ヶ月以内に納税しなければなりませんが、その他の納税方法の延納や物納を選択する場合も申告期限(10ヶ月)までに申請書を提出し許可を受けなければなりません。
所得税準確定申告<4カ月以内>
不動産所得や事業所得などの所得税の確定申告が必要な人は通常、翌年3月15日までに前年分の所得の確定申告を行いますが、個人が死亡した場合には、その年の1月1日から死亡の日までの期間の所得を相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内に確定申告(準確定申告といいます)をしなければなりません。
この申告は相続人全員が納税者となり、被相続人の所得申告を行う義務があります。
<生前対策>
・相続税がいくら位かかるのか知りたい
・どうすれば、一番節税できる遺産分割ができるのか?
これらを明確にしておくことで、“円満な遺産相続”と“安心できる納税対策プラン”を立てる基礎を作ることができます。
当事務所ではお客様一人ひとりの状況に合わせて、最適な手法をご提案致します。
是非一度、ご相談ください。
<当事務所の生前対策サポート>
・現状把握
・財産と家族構成のヒアリング
・現状の相続税の試算
・相続対策のアクションプラン
・財産の活用プラン(財産活用、贈与、減少、制度の活用)
・効果測定シミュレーション 毎年すべき対策が先々まで明確になります。
(対策するとしないのとでは、納税額が大きく変わることもあります。)
<相続発生後>
相続が発生したら、故人が相続開始時(死亡時)に所有していた財産に対して、相続税が課されます。
この相続財産自体を相続発生後に減らすことはできませんが、相続財産の評価方法や、遺産分割を工夫することで、相続税の負担軽減を図ることはできます。
以下、代表的な例を示します。
小規模宅地等の評価減
相続又は遺贈により取得した一定の小規模宅地等※については、その評価額を減額することができます。
※小規模宅地等の種類
居住用地 | 特定居住用宅地等 | 330㎡(約100坪)までの部分は80%減額 |
事業用地 | 特定事業用宅地等
特定同族会社事業用宅地等 |
400㎡(約120坪)までの部分は80%減額 |
不動産貸付用地 | 200㎡(約60坪)までの部分は50%減額 |
※上記特例の要件を満たす土地が複数ある場合、どの宅地に当該特例を適用するかで評価を減額できる金額が異なりますので、慎重な検討が必要です。
配偶者控除の活用と2次相続を見据えた遺産分割
配偶者は「税額軽減」の特例を使えば1億6000万円まで相続税がかからない!
配偶者が遺産を相続した場合は、これからの生活資金や夫婦で協力して財産を築き上げてきたことなどが考慮され、配偶者だけに認められた相続税の配偶者控除があります。この配偶者控除は、配偶者の取得財産の価額が、
・1億6000万円
・配偶者の法定相続分
この2つの内どちらか高い方までが非課税となる制度です。
例えば、法定相続分が1億円であったとしても、1億6000万円までが非課税ですし、配偶者の法定相続分が2億円であれば、2億円までが非課税となります。
この配偶者控除ですが、とりあえず配偶者がたくさん相続しておけば、相続税がゼロ円だからという理由での安易な適用はおすすめできません。なぜなら、遺産を多額に相続した配偶者がその後すぐに亡くなった際に、多額の相続税が発生してしまうためです。一回目の相続だけでなく、次の二回目の相続も見据えたトータルの相続税額をシミュレーションし、慎重に一回目の相続での遺産分割案を決定することが必要といえます。
当事務所では、配偶者控除の枠を目一杯利用するのか、それとも二次相続を見据え法定相続分の金額にとどめるか等、 いくつかの計画を想定した上で最も有利な分割を提案します。
※相続税の申告は、上記特例の適用の他、多くの資料が必要であり、相続税の計算では、特に土地について、評価をどのように行うのか、といった評価額の算出が困難を伴います。
当事務所では、相続税申告用の必要資料や関連情報を一覧できるツールを作成しておりますので、ご相談の際にご活用いただけるよう、準備しています。
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